花を置いておく温度ですが、なるべく温度の低いところに置くと長持ち
するのです。
どうしてかというと、まず、水が濁りにくいということです。
それと同時に、花の呼吸作業がゆっくりになるので、エネルギーの消費が
少なくなり、その分長持ちするというわけです。
たとえば、同じ花を買って来て、居間・応接間・玄関・トイレに置いたと
します。
一番長持ちするのは、どこでしょうか。
それは、気温の比較的低い玄関やトイレなのです。
しかし、いくら涼しいからといって、クーラーの風の吹きだし口に花を
置くのはよくありませんね。置く人もいないとは思いますが。(笑)
これは、風が直接当たって、植物の水分の蒸散作業を早め、水の下がる状態
になるので避けてください。
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では、ここでちょっと花屋の保存法をご紹介します。
花が栽培されて出荷されるときに、花を冷やす状態にすることを、生産者
の間で、「予冷」 といいます。
カーネーションやバラが切り取られてから、なるべく咲かない状態で出荷
しなければならないので、保冷庫で5℃くらいに冷やして出荷に備える
ようです。
また、産地から市場への輸送時でも保冷庫を使うことが増えています。
最近では、宅配便の中で、クール便で輸送されたりしますが、花の場合は
10℃くらいが適温といわれています。
花屋では、陳列用保冷庫(キーパーと呼ぶ)が登場します。
よく店頭で、ガラスでできた洋服ダンスのようなショーケースを見かけると
思いますが、それが、5℃〜10℃くらいを保つ保冷庫なのです。
花屋さんは、それを冷蔵庫と呼んでいますが、もちろん一般家庭にある
冷蔵庫とは大分違います。
ガラス面は二重で、断熱効果があると同時に、外気との温度差でガラスが
くもって中が見えなくならないようになっています。
また、庫内の空気が循環するように送風機能もついています。
プロともなれば、このように大がかりな設備が必要ですが、1日でも長く
花を保たせたい、愛でたいという気持ちは、ご家庭のみなさんとまったく
変わることはありません。
