2010年03月09日

日本人の 「花」 の見方

日本人と花のつきあいは古く、古代は、農耕民族としての生活の手段と

いうことで、花は食料等として大切にされていました。


「万葉集」 の中でも、ハギ、梅、松が多く詠まれており、桜は8番目に

多く登場します。


それが平安時代になると、花に対して一種の美意識を持つようになります。

たとえば、花の少し散りかけている姿に感動したり、花の短い命と自分の

運命を重ね合わせてみたりするのです。


今まで慣れ親しんできた古典文学作品の中には、花を愛し、思う、みやびの

王朝の人々の心があふれんばかりに書き込まれていると思いませんか。


なぜ、こんなにも花は心を魅了するのでしょうか。


それは、やはり日本の豊かな自然にあると思います。

四季おりおりにつづられる自然の営みは、感動のるつぼですよね。


その中でも花の存在は、真っ先に四季の訪れを知らせてくれるものです。

そして、四季の移り変わりに合わせて、人々はいろいろな言葉を作り出し

ました。


俳句や短歌などに使われる季語は有名で、その 「四季の詞(ことば)」 

を集め、解説を加えたものは歳時記や季寄せとも呼ばれています。


花に関する言葉は、数え切れないほどたくさんあります。

それだけ、花が人々に親しまれてきたということですね。


そもそも 「花」 には、あでやかな、華々しい、美しいなどの意味が

含まれています。

たとえば、花嫁や花婿など、使われていますね。



花盗人(はなぬすびと)・・・花の枝を盗んだ人のことですが、「盗人」 

    にわざわざ花をつけて特別な呼び名になっているのは、ある狂言に

    由来しています。


ある男が桜の花を折ろうとしてつかまり、木に縛りつけられていました。

しかし男が 「この春は、花の下にて縄つきぬ烏帽子桜と人やいふらん」

という歌を詠み、これがとても趣きのある歌だったので許された、という

ものです。


花道・・・もともとは観客が、ひいきの役者に花(祝儀のこと)を贈るため

     作られたところからの呼び名です。

     男の花道などといって、華々しい行路をさす言葉です。


花がつお・・・かつおぶしを花びらのように薄く細かくきざんだ様子から

       きています。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


明治のころは、「花電気」 といわれるものがありました。

これは、今風でいうならシャンデリアのことです。


花のようにきらびやかな電気というわけですが、とても風情のある呼び名

です。



また、言葉だけでなく、長い間伝わっている花に関する行事なども各地で

いろいろ行われているようです。


花供養・・・花屋の職人気質を表す言葉


花塚、花供養という言葉をご存知でしょうか?

花屋というのは、花を売るのが商売ですが、それは言うならば、生命のある

植物の花の命を縮めて売っていることなのです。


そこで、こうした花の霊をなぐさめ、また感謝する気持ちから、年に1回の

花供養をするわけです。


花供養は、全国すべての地域で行われているわけではありませんが、各地で

花商組合や、生花市場が中心になって行われています。


都内では、世田谷、深川、渋谷などで花供養の行事があります。

関西でも大阪、兵庫などで盛大に行われているようです。


日時は全国的には決まっていませんが、4月8日の潅仏会(かんぶつえ)

が多いそうです。

この日は、いわゆるお釈迦様の誕生日で、その像に甘茶をそそぎかける仏事

が行われるのですが、通称 「花まつり」 ともいわれています。


花屋のひとつの心意気として、地味ながらも大切に守っていきたい行事

なのだそうです。




posted by 夏島 洋 at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本人と花 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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